15年越しの再会に、京の焼売でほどける記憶
【本日の献立】
主菜:昔ながらのしゅうまい(京都点心福)
副菜:万願寺とうがらしとじゃこの甘辛炒め
汁物:鱧と冬瓜の澄まし汁
ご飯もの:青じそとちりめんの炊き込みご飯
祇園祭でにぎわう京都駅。浴衣姿の人混みの中、ふいに声をかけられ、15年ぶりに昔のお客様と再会しました。
あの頃、まだ若かったスタッフが手渡した焼売の味を、今も忘れずにいてくださったこと。
その記憶をもう一度温めるように、点乃がそっとお渡しした「昔ながらのしゅうまい」。
懐かしさと感謝が交差する、夏の思い出になりました。
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【本日のキーワード】
京都 お取り寄せ
京都点心福
昔ながらのしゅうまい
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【本文】
祇園祭でにぎわう京都駅の夕暮れ。浴衣姿の方々にまぎれて、ふと耳に届いた懐かしい声。
「こんにちは……覚えてますか? 15年前、初めて焼売を買ったんです」
そのお客様は、当時まだ駆け出しのスタッフが蒸したての焼売をお渡しした、あの日のことを今も覚えていてくださいました。
「ずっと探してたんですよ。あの味が忘れられなくて」
そんな言葉に胸が熱くなりました。
この日、点乃が手渡したのは、あの頃と変わらぬ「昔ながらのしゅうまい」。
薄皮の中に詰まった、もっちりした豚肉とクワイの食感は、記憶とともに味わう特別なひとくち。
点心の味がつなぐ、15年ぶりの再会。
夏の京都に、またひとつ、静かな物語が生まれました。
