京都伏見から大阪湾へ 川と海がつなぐ点心と季節の献立
2025年07月22日 11:26:00
京都・伏見にある「伏見港公園」が、現在工事中となっていました。
ふだんは静かな公園の一角が、立ち入り禁止の柵で囲まれているのを見て、
ふと、かつてのこの地の賑わいに思いを馳せました。
伏見港――そこは、京都と大阪を水路で結んだ「水の玄関口」。
江戸時代には、淀川を下る三十石船が人や物を運び、
酒どころ伏見の清酒もこの港から江戸へと出荷されていました。
舟で伏見を発ち、大阪湾まで下る水の道。
今日はその流れに沿って、川や海に育まれた食材たちをイメージした献立をご紹介します。
夏の京都点心とともに、静かに流れる「水の記憶」を食卓に――。
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🍽 本日の献立
川風にそよぐ夏の食卓 点心と旬菜の涼味献立
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🥟主菜|激辛焼売(京都点心福)
暑さで食欲が落ちやすいこの時期にぴったりの、京都点心福「激辛焼売」。
ピリッとした唐辛子の刺激と、豚肉の旨味がしっかりと効いた大人の味わい。
冷えた副菜やすっきりした汁物とのバランスも絶妙です。
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🍅副菜|賀茂トマトとオクラの黒酢和え
甘みの強い賀茂トマトと、夏野菜のオクラを黒酢でさっぱりと和えました。
水辺の野菜を思わせるみずみずしさで、箸休めにちょうど良い一品です。
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🧊汁物|枝豆と豆腐の冷やしすり流し
枝豆のグリーンと、絹ごし豆腐のなめらかさが合わさった、
ひんやりとした口当たりの冷製スープ。
川風のように涼しさを運んでくれる、静かな一椀です。
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🍚ご飯もの|新生姜の混ぜご飯
新生姜の香りと、ほんのり効かせたごまの風味が心地よい混ぜご飯。
あえて出汁を控えめにし、素材の香りを生かすことで、
点心の引き立て役としても最適です。
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🍉水菓子|すいかの果肉寒天 柚子シロップがけ
夏の果物・すいかをたっぷりと使い、寒天で寄せました。
柚子のシロップをひとさじかけることで、爽やかな後味に。
舟が波間を抜けていくような、やさしい余韻のデザートです。
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⚓おわりに
伏見港のかつての役割を思うとき、そこにあったのは
人と物が行き交い、季節が積み重なっていった日々の営みです。
現代のわたしたちは、舟に乗ることはなくとも、
あの時代と同じように「旬」をいただき、「水の恵み」に生かされています。
今日の食卓もまた、川と海と人の手がつないでくれた一皿。
京都点心福の焼売とともに、
そんな“流れ”を感じる夕食になればと思います。
