【点心職人こぼれ話】絶対に技を教えてくれない香港人師匠と、突然突きつけられた「春節の無茶振り」
当時の職人さんは自分の仕事を他人に取られるのを嫌うため、待っていても技術は一切教えてくれません。
「手取り足取り教える」なんて甘い空気はゼロでござった!
1. 言葉は交わさず、手元をひたすら「盗み見」
点心作りは、1人で「皮を伸ばして、餡を乗せて、包んで…」とこなしていると、めちゃくちゃ時間がかかります。
これが2人体制になって「1人が猛スピードで皮を伸ばし、もう1人が包む」という分担にするだけで、作業スピードは何倍にも跳ね上がるのです。
-
自らサポートに回る:
葉さんは相変わらず無言。でもこちらも黙ってスッと横に入り、見様見真似で皮伸ばしを手伝い始める。 -
技は見て盗む:
手取り足取りの指導はゼロ!だからこそ「目で盗む」しかない。 -
休日の猛特訓:
葉さんが休みの日は、厨房の大きな麺台を使ってひたすら自主練に励む日々。
お互いに余計な言葉は一切交わさず、背中合わせで黙々と点心を仕上げていきました。
2. そして訪れた、恐怖の「春節(旧正月)」
香港出身の葉さんは、毎年「春節」の時期になると1ヶ月間まるまる香港へ里帰りするのが恒例でした。
いつもなら、自分が不在の間に厨房が困らないよう、1ヶ月分の点心を冷凍庫に山のように仕込んでから帰国してくれます。
……ところが、ある年の春節前。
去り際に葉さんから手渡されたのは、ペラッと1枚の分量表だけ。
「え、これ本気で言ってる……?」と頭が真っ白に。
ホテルのお店ですから、毎日お客さんはどんどん来店されます。
当然、冷凍庫の点心ストックはみるみる減っていく……。
逃げ場ゼロ。「もう、自分でゼロから作るしかない!」という極限状態に追い込まれました。
3. 追い込まれた結果……「あれ、作れちゃうな」
泣き言を言っても始まらないので、渡された分量表と、これまで葉さんの横で必死に盗み見てきた記憶だけを頼りに作業を開始。
粉をこね、餡を練り上げ、必死に手を動かしてみると――
「あれ……? 意外とちゃんと作れるじゃん!」
自分でも驚くくらい、これまで見てきた手の動きが勝手に再現できたのでござる。
普段は何も言わず塩対応だった葉さんですが、「こいつなら1人で厨房を回せるだろう」と、あえて何も仕込まずに託してくれたのかもしれません(職人流の、とんでもなく不器用なテストですね笑)。
この「やらざるを得ない修羅場」を乗り切った経験が、点心職人としての度胸と技術を一気に押し上げてくれたのでござる。
職人の手包み点心・焼売をご家庭で
厳しい修行と試練を乗り越えて培った広東点心の技。
1日450個限定の極上手包み焼売や餃子は、京都・伏見の直売所にてお届けしております。
全国発送!楽天市場公式ショップ
京都・伏見の工房から、出来立ての味を急速冷凍で全国へお届けいたします。
ご自宅で本格点心の肉汁と旨みをご堪能ください。







