黒酢酢豚の極意|鎮江香酢×たまり醤油の“真っ黒”仕立て(寒露)|京都点心福 公式ブログ
2025年10月10日 10:08:00
黒酢酢豚の極意|鎮江香酢×たまり醤油の“真っ黒”仕立て(寒露)|京都点心福 公式ブログ
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2025年10月10日|寒露の候|記/シュウマイ奉行
黒酢酢豚の極意——鎮江香酢×たまり醤油の“真っ黒”ながら軽やか仕立て
秋は実り、香りは深まる。かような折、拙者は中国・上海ゆかりの
鎮江香酢と、旨味の芯を立てるたまり醤油を合わせ、
漆黒の艶をもっても重からず、後口は凛と清き黒酢酢豚を拵えた。
舞茸・蓮根・銀杏と遊ばせれば、香は幽玄、食感は重奏。——まことに“黒の妙”にて候。
鎮江香酢
たまり醤油
寒露の献立
なぜ“真っ黒”が軽やかに仕上がるのか(奉行の理)
鎮江香酢は酸の角が丸く、香りに幅がある。そこへたまり醤油の旨味と
黒糖少々を掛け合わせると、色は黒くとも味は沈まず、余韻はすっと伸びる。
とどめに仕上げのごま油は小さじ1/2——多くは不要。艶は立ち、重みは背負わぬ。
材料(2〜3人分)
主材
- 豚肩ロース(角切り)…300g
- 塩…小さじ1/4/白胡椒…少々/生姜すりおろし…小さじ1
- 片栗粉…大さじ2(衣用)/米油(揚げ用)…適量
秋の副材
- 舞茸…100g(小房)
- 蓮根…120g(7〜8mmいちょう切り)
- 長ねぎ…1/2本(斜め切り)
- 銀杏(茹で)…12粒
黒酢だれ
- 鎮江香酢…大さじ3
- たまり醤油…大さじ1と1/2
- 黒糖…大さじ1/味醂…大さじ1/水…大さじ2
- 水溶き片栗…小さじ1+水小さじ1
- 仕上げ:ごま油小さじ1/2、黒胡椒少々
作り方(段取りよく、軽やかに)
- 下味:豚に塩・白胡椒・生姜を揉み、5分休ませる。片栗粉を薄衣に。
- さっと揚げ:170℃で約2分、色づく手前で引き上げ余熱で火入れ。
- 香り立て:フライパンで蓮根→舞茸→長ねぎの順に炒め、香りを引き出す。
- 黒酢だれ:鎮江香酢・たまり・黒糖・味醂・水を注ぎ、弱めの中火で温める。
- とろみ:水溶き片栗で“とろり”。揚げ豚と銀杏を戻し、手早く絡める。
- 仕上げ:火を止めてごま油、黒胡椒。浅鉢に高く盛り、艶を見せる。
奉行の勘所:黒は焦がすに非ず。色はたれで、香りは温度で出す。揚げは控え目、煮詰めは浅く、仕上げ油は少量にて良し。
献立合わせ(点心との“京の合いの手”)
だし焼売 × 焙煎烏龍
黒の香りを邪魔せず、出汁の余韻で橋渡し。温茶で口中を清め、二口目がまた旨い。
肉汁焼売 × 白飯かため
旨味×旨味でも、白飯をやや固めに炊けば調和する。香酢の切れ味が生きる。
副菜二品
- 胡瓜と生姜の浅漬け(1%塩・10分)
- 豆腐干しと香菜の和え物(酢少々)
季のあしらい(寒露・金木犀・秋桜)
寒露は露冷えの兆し。庭に金木犀香り、路地に秋桜ゆらぐ。皿には
山椒の実(ほんの少し)か、糸唐辛子をひとつまみ。
黒の中に秋の彩り、これぞ京の遊び心にて候。
“黒は重い”の思い込み、ここに裁可を下す——軽やかにして滋味深し。
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